財務報告に係る内部統制の評価の範囲について、企業会計審議会から公表された文書を元に検証しています。

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「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準の設定について(意見書)」の第2章である【II:財務報告に係る内部統制の評価及び報告】にある(2)財務報告に係る内部統制の評価の範囲についてその説明を検証しましょう。
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内部統制制度の理解C.評価の範囲

C-1.財務報告に係る内部統制の評価の範囲について

基準の【II:財務報告に係る内部統制の評価及び報告】(2)財務報告に係る内部統制の評価の範囲は、

  1. 財務報告に係る内部統制の有効性の評価
  2. 評価の範囲の決定

の2部に分かれた内容となっております。

(1).財務報告に係る内部統制の有効性の評価においては、
⇒「評価範囲を決定する際の対象」について記載されており、
(2).評価の範囲の決定においては、
⇒「評価範囲の決定方法」について記載されております。

つまり、各企業において(1)における範囲を抽出し、(2)において評価範囲を決定し、有効性の評価を行っていくこととなります。

以下においては、まず、 (1)財務報告に係る内部統制の有効性の評価 つまり、「評価範囲を決定する際に対象に含むべき範囲」についてみてみましょう

C-2.財務報告に係る内部統制の評価の範囲の前提

基準の【II:財務報告に係る内部統制の評価及び報告】(2)財務報告に係る内部統制の評価の範囲において、『経営者は財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性の観点から、必要な範囲について、財務報告に係る内部統制の有効性を評価しなければならない』とあります。

⇒ つまり、評価の範囲 = 「財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性の観点から、必要な範囲」ということになります。

また、『財務報告に係る内部統制の有効性の評価は、原則として連結ベースで行うものとし、外部に委託した業務の内部統制については、評価範囲に含める』とあります。 さらに、『経営者は評価に先立って、予め財務報告に係る内部統制の整備及び運用の方針及び手続きを定め、それらの状況を記録し保存しておかなければならない』とあります。

⇒つまり、評価の範囲については『連結ベースで、外部に委託した業務も含め、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性の観点から、必要な範囲について、有効性を評価しなければならず、評価に先立って、予め財務報告に係る内部統制の整備及び運用の方針及び手続きを定め、その状況を書面化し保存しておかなければならない』ということになります。

C-3.連結ベースでの評価範囲とは?

基準において、評価範囲を決定する際に対象に含むべき範囲は『連結財務諸表を構成する有価証券報告書提出会社及び当該会社の子会社並びに関連会社』と定義されています。

⇒つまり、子会社(組合等も含む)、持分法適用となる関連会社、在外子会社等 が、評価範囲を決定する際に対象に含むべき範囲となります。

*なお、上記対象会社が、上場企業等で、基準に基づき内部統制報告書を作成している場合には、その対象会社の内部統制報告書が利用できます。

C-4.外部に委託した業務に係る内部統制の評価の範囲とは?

基準では、「委託業務に関しては、委託者が責任を有しており、委託業務に係る内部統制についても評価範囲に含まれる」とされており、さらに「委託業務が企業の重要な業務プロセスの一部を構成している場合には、経営者は、当該業務を提供している外部の受託会社の業務に関し、その内部統制の有効性を評価しなければならない」とされいます。

⇒これを、財務報告に係る内部統制において考えてみると、たとえば、財務諸表の作成の基礎となる取引の実行・計算・集計・記録・承認等を外部に委託している場合や、開示事項の作成業務等を外部にしている場合が考えられます。このような場合、当該業務を委託した先(受託会社)の業務に関し、その内部統制の有効性を評価しなければならなくなります。

⇒実際には、難しく考えず、自社内、外部委託に関わらず、評価の範囲を検討・決定し、それが外部に委託している業務であった場合、外部委託業務についても、有効性を評価すると考えれば問題ないと思います。

C-5.外部に委託した業務に係る内部統制の評価方法とは?

基準では、「経営者は、委託業務に関る内部統制について、当該受託会社が実施している内部統制の整備及び運用状況を把握し、適切に評価しなければならない」とされています。

では、どのように評価するのでしょうか?具体的な例を2つ挙げます。

(1)サンプリングによる検証
委託業務結果の報告書と基礎資料の整合性を検証するとともに、委託業務の結果について、一部の項目を自社で実施して検証する。
上記の内容を例えば給与計算業務について考えると、受託会社に委託した給与データの対象人数と受託会社から受領した計算データの件数を比較するとともに、無作為に抽出したその一部について、企業において検算を実施
(2)受託会社の評価結果の利用
委託業務にかかる内部統制の整備及び運用状況に関し、委託業務に関連する内部統制の評価結果を記載した報告書を受託会社から入手し、自らの判断により、委託業務の評価の代替手段とする。しかしこの場合は、委託業務に関連する内部統制の評価結果を反映した本基準に基づく内部統制の報告書であればよいですが、そうでない場合、経営者の判断ということになるため、経営者は、当該報告書等が十分な証拠を提供しているかどうかを検討しなければなりません。
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