財務報告に係る内部統制の評価範囲決定の流れについて、企業会計審議会から公表された文書を元に検証しています。

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「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準の設定について(意見書)」の第2章である【II:財務報告に係る内部統制の評価及び報告】にある(2)財務報告に係る内部統制の評価の範囲についてその説明を検証しましょう。
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内部統制制度の理解C.評価の範囲

C-7.財務報告に係る内部統制の評価範囲決定の流れ


全社的な内部統制の評価  (原則、すべての事業拠点について全社的な観点で評価)
決算・財務報告に係る業務プロセスの評価  
(全社的な観点での評価が適切なものについては、全社的な内部統制に準じて評価)
決算・財務報告プロセス以外の業務プロセス
(1)重要な事業拠点の選定
評価対象とする事業拠点を、売上高等の重要性により、決定する。例えば、本社を含む各事業拠点の売上高等の金額の高い拠点から合算していき、連結ベースの一定の割合(例えば概ね2/3)に達するまでの拠点を重要な拠点として評価の対象とする。
  • 事業拠点は、必ずしも地理的な概念にとらわれず、企業の実態に応じ、本社・子会社・支社・支店・事業部等として識別
  •  
  • 事業拠点を選定する指標として基本的には売上高が用いられるが、企業の置かれた環境や事業の特性によって異なる指標や追加的な指標を用いる
  • 一定の割合についても、企業の置かれた環境や事業の特性が異なることから、一律に示すことはできないが、基準では『全社的な内部統制の評価が良好であれば、例えば、連結ベースの売上高等の一定割合を概ね2/3程度とし・・・・・』
とされている。
(2)評価対象とする業務プロセスの識別
1.(1)で選定した重要な事業拠点における、企業の事業目的に大きく関わる勘定科目(一般的な事業会社の場合、原則として、売上・売掛金・棚卸資産)に至る業務プロセスは、原則としてすべて評価対象
  • (1)で選定した重要な事業拠点が行う重要な事業又は業務との関連性が低く、財務報告に対する影響の重要性も僅少である業務プロセスについては、評価対象としなくても良い
  • 上記の場合には、評価対象としなかった業務プロセス、評価対象としなかった理由について、記録が必要
  • 棚卸資産に至る業務プロセスには、販売プロセスの他に、在庫管理プロセス、期末の棚卸プロセス、購入プロセス、原価計算プロセス等が関連してくることが考えられるが、これらのうち、どこまでを対象とするかは、企業の特性を踏まえ、虚偽記載の発生するリスクが的確に捉えられるよう判断する
  • 原価プロセスについては、一般的には、期末の在庫評価に必要な範囲を評価対象とすれば足りると考えられるので、必ずしも原価計算プロセスの全工程にわたる評価を実施する必要はないことに留意する
2.(1)で選定した重要な事業拠点およびそれ以外の拠点について、財務報告への影響を勘案して、重要性の大きい業務プロセスについては、個別に、評価対象に追加
  • リスクが大きい取引を行っている事業又は業務に係る業務プロセス
    (例:金融取引やデリバティブ取引を行っている事業または業務、価格変動の激しい棚卸資産を抱えている事業又は業務等)
  • 見積りや経営者による予測を伴う重要な勘定科目に係る業務プロセス
    (例:引当金、固定資産の減損損失、繰延税金資産・負債等)
  • 非定型・不規則な取引など虚偽記載が発生するリスクが高いものとして、特に留意すべき業務プロセス
    (例:通常の契約条件や決済方法と異なる取引、期末に集中しての取引等)

⇒上記により、追加的に評価対象に含める場合において、財務報告への影響の重要性を勘案して、事業又は業務の全体ではなく、特定の取引 又は事象のみを評価対象に含めれば足りる場合には、その部分だけを評価対象に含めることで足りる。

(3)全社的な内部統制の評価を踏まえて、業務プロセスに係る評価範囲の調整
全社的な内部統制が有効でない場合、評価範囲の拡大等、調整を行う
評価範囲について、監査法人と協議
(監査人による評価範囲の妥当性の検討の結果、後日、評価範囲が変更になった場合、
時間的な制約等から困難になる場合も想定されるため、
経営者は、評価範囲の決定をした後、当該範囲を決定した方法およびその根拠等について
監査人と協議を行っておくことが重要です。)
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