業務プロセスにおける虚偽記載の発生するリスクとこれを低減する統制の識別について説明しています。

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「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準の設定について(意見書)」の第2章である【II:財務報告に係る内部統制の評価及び報告】にある(3)財務報告に係る内部統制の評価の方法の(3)業務プロセスに係る内部統制 について、詳細な説明を行います。
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内部統制制度の理解D.評価の方法

D-14.(2)-業務プロセスにおける虚偽記載の発生するリスクとこれを低減する統制の識別

実施基準には

  1. 経営者は、評価対象となる業務プロセスにおいて、不正又は誤謬により、虚偽記載が発生する
    リスクを識別する
  2. 虚偽記載が発生するリスクを低減するための統制上の要点を識別する

と記されています。

このリスクを識別するに当たっては、当該不正又は誤謬が発生した場合に、『適切な財務情報を作成するための要件』のうち、どの要件に影響を及ぼすかについて理解し、 また、虚偽記載が発生するリスクを低減するための内部統制を識別するために、特に取引の開始、承認、記録、処理、報告に関する内部統制を対象に、『適切な財務情報を作成するための要件』を確保するために、どのような内部統制が必要かという観点から識別する必要があります。

さらに、経営者は、個々の重要な勘定科目に関係する個々の統制上の要点について、内部統制が適切に機能し、『適切な財務情報を作成するための要件』を確保する合理的な保証を提供しているかを判断することを通じて、財務報告に係る内部統制についての基本的要素が有効に機能しているかを判断することが望まれています。

では、『適切な財務情報を作成するための要件』とは何か。
実施基準では、下記の6つの項目を挙げ、その定義を示しています。
(注)この「適切な財務情報を作成するための要件」は『アサーション』とも呼ばれています。

実在性
資産及び負債が実際に存在し、取引や会計事象が実際に発生していること
網羅性
計上すべき資産、負債、取引や会計事象をすべて記録していること
権利と義務の帰属
計上されている資産に対する権利及び負債に対する義務が企業に帰属していること
評価の妥当性
資産及び負債を適切な価額で計上していること
期間配分の適切性
取引や会計事象を適切な金額で記録し、収益及び費用を適切な期間に配分していること
表示の妥当性
取引や会計事象を適切に表示していること

なお、業務プロセスに係る内部統制の整備及び運用状況の評価については、必要に応じ、図や表を活用して整理・記録することが有用であるとされており、実施基準においては、図や表の例として、参考資料3(リスクと統制の対応(例))が記されています。 これが、いわゆる文書化3点セットのうちの1つ「リスクコントロールマトリックス(RCM)」であります。

このRCMに関しても、実施基準では、必要に応じて作成し、作成した場合の参考例として掲載したものであり、また、企業において別途、作成しているものがあれば、それを利用し、必要に応じそれに補足を行っていくことで足り、必ずしもこの様式による必要はないことに留意する。とされています。

しかし、内部統制に係る整備・運用において、上記2点と合わせ、RCMを作成することが有用です。

D-15.(3)-業務プロセスにおける虚偽記載の発生するリスクとこれを低減する統制の識別

実施基準には

『経営者は、上記によって識別した個々の重要な勘定科目に関係する個々の統制上の要点が適切に整備され、実在性、網羅性、権利と義務の帰属、評価の妥当性、期間配分の適切性、表示の妥当性といった適切な財務情報を作成するための要件を確保する合理的な保証を提供できているかについて、関連文書の閲覧、従業員等への質問、観察等を通じて判断する。この際、内部統制が規程や方針に従って運用された場合に、財務報告の重要な事項に虚偽記載が発生するリスクを十分に低減できるものとなっているかにより、当該内部統制の整備状況の有効性を評価する』

とされています。

つまり、文書化3点セット(業務記述書、業務フローチャート、RCM)を使い、内部統制統制の整備状況を評価することとなります。
評価に当たっては、

  • 内部統制は、不正又は誤謬を防止又は適時に発見できるよう適切に実施されているか。
  • 適切な職務の分掌が導入されているか。
  • 担当者は、内部統制の実施に必要な知識及び経験を有しているか。
  • 内部統制に関する情報が、適切に伝達され、分析・利用されているか。
  • 内部統制によって発見された不正又は誤謬に適時に対処する手続が設定されているか。

に、留意し、内部統制が、規程や社内のルールにそって運用された場合、

  • 『適切な財務情報を作成できるもの』
  • 『虚偽記載が発生するリスクを低減できるもの』

となっているかどうか、整備状況について有効性を評価することとなります。

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